

しかし、行っておいて損はありませんし、むしろ得しかありません。下記に研究室へのあいさつに行くべき理由とその際の注意点を書いていきます。
挨拶をする意義
大学院の研究室にはこの先、少なくとも二年はお世話になります。
研究室には一日中いることになるため、居住環境は良くしておくに越したことはありません。
そのため、研究室に入る段階で、
- 人的な環境の良さ
- 研究面での環境の良さ
を構築することが望ましいです。
「研究面での環境の良さ」は、研究室を選ぶ段階で制御できます。
研究室の選び方については別記事にて紹介しています。
一方で、「人的な環境の良さ」は外部環境に影響されますが、自分の在り方で改善することができます。
外部環境は研究室見学の際に見ておくとよいでしょう。
個人の影響で制御しないといけない部分については、この記事で説明している「研究室へのあいさつ」や過ごし方によって制御できます。
研究室へのあいさつは初めて、まともに研究室のメンバーや教員と関わる機会です。
そのため、そこでの振る舞いにより、どういう評価がされ、環境が構築されるかの「先入観」ができます。
実例をあげます。私の後輩の一人は、研究室へのあいさつに遅れてしまったりアポ取りのメールの文章がまともに書けない子でした。
そのため、同期や先輩からの「先入観」は最悪でした。結果的に、受け入れられはしましたが、何かあるとちょくちょく悪いうわさが立ってしまう始末でした。
実際、忖度をあまりしないのでそれが嫌に感じる人もいるかもしれないとは感じました。しかし、礼儀正しく、実直で面白い子でしたので、それだけにもったいないなと感じました。
こういう場合、「先入観」さえよければ、忖度できなくても指摘してもらえたり、「冗談」として笑って受け入れられるはずです。しかし、その環境が構築できなかったのは「先入観」のせい、つまり研究室へのあいさつを失敗したからということになります。
実際に研究室へのあいさつについて、手順と気を付けるべき点を紹介します。
アポイントのメールをだす。
研究室は多忙です。院生は研究をしていますし、教員は雑務に追われています。
そのため、アポイントを取らなければ、受け入れる環境は整わないと考えたほうがいいです。
アポイントのメールについては別記事にて紹介しています。
研究室へのあいさつの目的
院試前と後で大きく異なります。院試前では、研究環境や人的環境が整っているか見ることが必要です。
一方で、院試後では打ち解けるために情報を開示すること、いい後輩になりそうだという印象を残すことが必要です。
院試前の研究室へのあいさつ
目的は大きく分けて三個あります。
- 研究環境が整っているかの確認
- 人的環境が整っているかの確認
- 入試情報を手に入れること
です。各詳細については別記事にて紹介します。
院試後のあいさつ
目的は大きく分けて三個あります。
- 人的環境の再確認
- 既存の人的環境に組み込まれること
- この先の指針ができる
人的環境の再確認は、主に見るべきは教員と同期です。
教員はあなたを研究室に入れるために院試前は柔和かもしれませんが、いざ入るとなると態度が一変することがあります。こういうパターンについては明らかなものは見分けられるので別記事にて紹介しています。
また、研究室で研究内容を変える際には特に重要ですが、どういったものを勉強すべきか、何をすべきかを聞いておくのは重要だと思います。
教員からしてみると少なくともやる気のない子ではないという安心感を与えられますし、こちらはやるべきことの正解らしきものを知ることができるので。
ちなみにやるべきこととしては、研究に限定していうと学部の研究、その研究室で出された論文を読むこと、その論文のrefを読むこと、その分野の教科書レベルでの勉強がお勧めです。これらの院試後にやるべきことについては詳細を別記事にて書いています。
また、院試後のあいさつについても詳細は別記事に記載します。
あいさつの際の服装や手土産など
服装はスーツである必要は有りません。私服で大丈夫です。
ただし、注意が必要があります。この先も私服で大丈夫という場面は多く出てくると思いますが、
その服を着てどういう印象を与えるかということを考えたうえで私服を選ぶべきでしょう。
手土産については必要ありません。私はじつは持って行きましたが、なくても問題ありません。
ちなみに私の周りはだれ一人持っていっていません。
まとめ
研究室へのあいさつには必ず行くべきです。遠方であろうと行くべきです。
行くにあたり、なぜ、わざわざ忙しいのに研究室は迎え入れてくれるのかを考えてみるといいと思います。
すると研究室サイドはあなたがどういう人間か知りたがっている、あなたの不安を解消したいという風に考えていることが見えてくると思います。
これら二つが達成されるとこちらにとってもプラスです。
研究室は少なくとも二年は在籍するので、よりよい環境を求めるためにもぜひ実際に研究室の雰囲気に触れるようにしてみてください。
何か疑問がありましたら、コメントか、お問い合わせフォームまでお願いします。

大学院から専攻と大学を変え、現在は企業で研究職として働いている。専攻は有機化学と無機化学。詳しいプロフィールはこちら